海外生活用語集:Part 5――米大学受験関連
前書き:
某後輩が来宅した際に、大学受験関連の話をゴチャゴチャとしておりまして、考えてみればTOEFL以外のモノの話は大してやってないな、と思ったり。
と、言うわけで今回は一応知っておいた方がいいと思われるアメリカでの大学受験に関する用語について幾らか話そうかと。
因みにここで話している事はぶっちゃけた話北米(強いて言えばアメリカ)の普通の高校へ行っていれば嫌でも耳に入ってくる用語ばかりで、カウンセラー・教師経由で幾らでも関連情報は手に入ります。
特に11・12年ともなれば重要な試験がゴロゴロ出てくるので、ここでの説明だけで満足しないように。積極的に先輩・友人・先生・カウンセラーに聞くなり、ネットなどで情報収集を行っておく方が好し。
  • ACT:American College Testの略で、米での大学受験に大きく関わる全国試験の内の一つ。試験の形式は全て選択式で、英語(読解)、英語(文法)、数学、理科の四項目に分かれている。年に七回、二月に一回ほどのペースで行われている。
  • AP Class:下記のAP Exam対策中心のクラス。大抵は11・12年で取る事になっているものの、他の学年で取る事も可能(各校による)。学校によってはAPクラスに対する評価が高くなり、それによりGPAが上がる事もあり。(GPAに関しては下記参照)
  • AP Exam:Advanced Placement Examの略。全国統一試験のうちの一つで、年に一度、5月上旬〜中旬にかけて行われる。Advancedという単語から分かるように、内容は大学一年生レベルの教科別試験。評価は五段階になっており、多くの大学では4以上取る事が出来れば幾らか単位を貰う事が出来る。どの教科の単位がどれほどもらえるか、というのは大学によるので、事前確認は必須だと言える。
  • GPA:Grade Point Averageの略。大抵の学校ではA=4点、B=3点、C=2点、といった具合に点数が与えられ、その点数の合計を教科の数で割ったのがGPA(Average=平均)となる。因みにAPクラスやHonorsクラスなどに対して点数配分が多くなる場合もあるが、それは学校による(例を挙げると、杉野がカナダで通っていた学校ではそういったハイレベルクラスには成績に関係なく.5ポイント多く与えられるが、アメリカで通っていた学校ではA=5点、B=3.75点、といった具合に25%増しになっていた)。GPAが4であるという事はつまりオールAを維持出来たという証明になると考えてよいかと。
  • Honors Class:ハイレベルクラスを指す。Advanced Classという場合もあり。尚、APやHonorsのクラスは大学側からレベルの高いクラスとして評価されるので、取る実力があるのであればいくら取っても損にはならないと言える。レベルの低いクラスでAを取るよりも、こういったハイレベルなクラスでBを取る事の方が良いと評価される事もある(が、それは大学によりけり)。
  • Reccomendation:推薦状の事。大学によっては要求してくる事があるので、必要ならば早めに自分の事を良く言ってくれそうな先生に頼んでおく事(一ヶ月ぐらいは余裕を持った方が良いかと)。尚、提出方法は学校によりけりなので、事前に調べておくが吉。
  • SAT:Scholastic Assessment Testの略で、米での大学受験に大きく関わる全国試験の内の一つ。SAT1と2の二種類があり、1は国語(英語)と数学の混合、2は教科別試験。大抵の大学は1のみを求めるが、アイビーリーグを始めハイレベルな大学は2も3教科分要求する。ACTと同じく年に七回ほど、二月に一度ぐらいのペースで行われる。尚、ACTとSATは共にアメリカの大学では必須となっている試験であるため、テストの日時が重なる事は無い。
  • TOEFL:Test Of English as a Foreign Languageの略で、英語を第二言語とする学生の英語力を測るテスト。詳しくはRSC内のコラム、"Test Takers' Heaven and Hell"参照。

試験について補足:
AP、ACT、SATは上記の通り全国統一試験であるものの、幾らか相違点があるので軽く説明をば。
APは大学受験の際に必ずしも受けなければならないわけではないものの、それなりの高得点を取る事が出来れば大学側に好印象を与える事が出来る上、場合によっては金銭的にも助けになる場合はあります。と、言うのは、APで高得点を得る事によって単位を取得出来るのであれば、本来取るはずだったクラスの分の授業料が浮くのです。また、APクラスを取っていても、必ずしもAP試験自体を受けなければならないという義務は無いので、もしAP試験を受けないことにしてもAPクラスでの学習は大学での授業を幾らか楽にしてくれるはずです。

ACTとSATは共に大学受験の際に必須だと言える試験なのですが、何がどれほど重視されるかは各校によります。ACTの成績ををSATのそれよりも重視する所もあれば、それとは逆の場合、或いはどちらも同じぐらい重視している所もあるので、気になる場合は大学に問い合わせるなりして調べておく方が良いかと。また、この二つの試験は何度でも受けなおす事が出来るので、最初の一回を捨て駒にして、二度目(或いは三度目)を本番として扱っても良し。この二つは必要性が高いためさほど費用は高くありません。しかし、APはそれなりに「いいお値段」なので、受験する大学のAPに対する評価や、自分の実力を考えてから受けるかどうかを決めた方が良いかと。

ACTとSATの違いはそれなりにありますが、決定的な違いはその採点方式です。両方とも選択式問題なのですが、SATでは間違った答えに対して五択であれば四分の一点、四択であれば三分の一点減点されます(空白の場合はプラスマイナス0)。よって、SATの場合はむやみにゲスばかりしてしまうと減点される恐れがあるので注意が必要。ACTの場合は不正解・空白共に0点になるだけなので、こちらは逆に出来るだけ全問埋める方が高得点へ近付けます。
因みにAPはSATと同じCollegeboardが実施している試験であり、幾らか似ている点があるので、SATに慣れていれば多少助かるところはあるやも。不正解の問題に対する減点はAPに対しても同じなので、SATと同じく、ワケ分からん問題は飛ばすが吉。

SATとTOEFLは2005年から幾らかテストの形式に変更があると発表されているので、2004年5月に書かれているこのコラムの情報は新制度が導入された時点で幾らか当てにならない部分も出て来ます。気になる場合は公式サイトなどで確認する事をお勧めします。
SATを実施しているCollegeboardはAPの実施もしており、またオンラインでの受験登録・成績確認など色々と便利な所があるので、一度は行っておいても損はないかと。
ACTやTOEFLもオンラインでの登録が可能であり、またQ&Aなどもあるので、簡単な質問への答えも見つかるはずです。

Collegeboard (SAT・AP):http://www.collegeboard.com
ACT:http://www.act.org
TOEFL:http://www.toefl.org
もしも以上のアドレスがリンク切れになっているようであれば、"Collegeboard"、"ACT"、"TOEFL"などという単語で簡単に検索出来るので焦らないように。

その他色々:
日本の受験とは違い、テストの結果だけが全て、というわけではありません。全国統一試験などはあくまで評価対象の一部であり、普段の勉強はテストの結果より以上に大事かと思われ。また、課外・ボランティア活動なども重要です。本来ならアルバイトなども評価されるのですが、ビザの関係などで出来ない場合が多いので、その分はボランティア活動などでカバーを。
その中で特に何が重視されるか、と言うのは本当に大学によって違うので、大学のオープンキャンパス、或いは大学からの代表によるプレゼンなどに参加する事をお勧めします。自分を評価する立場に居る人間と直接会い、聞きたい事を聞くのにはいい機会ですし、そういった人々に自分をアピールする事もプラスになります。

最後に……
北米での大学受験は日本とは非常に違うため、下調べなどは非常に重要となります。私自身の経験からも、コレだけはしっかりしておくべきかと:

  1. とにかく大学からの資料をしっかり集める事。名前だけで大学を選び、自分が学びたい事を扱っている学部が無いなどというオチなど大学は求めていません。また、受験のために必要な資料・書類などは早いうちに揃えておくように。願書を出した後で大学側から「コレが足りません」などという連絡を貰った日には……(実は米の某私立大学受験の際に本当にそういう事がありました)。
  2. 親から金を盗んででもテスト対策のワークショップに行くべし。寧ろ行っておけ! 学校ではSATやACT対策の授業なんぞ(自分で取らない限りは)やってくれません。たとえ本番を捨て駒にする気でいたとしても、金がかかっている事には違いないのでせめて問題の回答形式やらに慣れておくべし。(2005年の改訂版以前の)SAT1の数学では非常にややこしい記入方式を使う問題が出てくるので、一度ぐらい講習を受けておいても損はありません。テストの問題内容に違いがあるのは当たり前ですが、問題形式には変更は無いので、予め問題形式が分かっているのならば冒頭の説明などを読む時間がいくらか短縮出来ます。どうしても金払ってまでしてワークショップに行きたく無いなら、オンラインでの無料模擬試験を探してみるって手もあります。
  3. 練習して損は無し! 意地でも参考書の一冊ぐらいは手に入れておけ! ただし、どこぞの馬鹿(寧ろ杉野)みたく、同じ試験のために参考書を三冊以上買う必要は全く無し。お勧めはPrinceton Reviewシリーズですが…参考書が合うかどうかと言うのは自分が決める事ですから、買う前に中身の確認を。いまいち分からないというのなら、取り敢えず先生に聞いてみるか、図書館に駆け込むのもヨシ。知り合いで自分が受けたものと同じ試験を受けている人が居るのであれば安く買い取らせてもらったり、コピーを取らせてもらうというのもOK。
  4. 結局上記の事はほとんどどれも無料でやる方法があるので、無駄に金は使わんでヨシ。寧ろ再試験のための資金にとっておけ。

ハイ、締めだってのに何が言いたかったんだか謎だったりしますが、結局ぶっちゃけ言いたかった事ってのは
後悔したくなければくれぐれも下準備は怠るべからず、そして何よりもとにかくやるだけやっちまえ!
……と、いう事でした。嗚呼、結局真面目じゃなかったYO_| ̄|○

やたらぐだぐだなノリで書いてたりしましたが、これでもMI州立大とカナダの某大学にちゃんと受かってます(苦笑)。


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First: May 16, 2004
Edit: July 14/04

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