海外生活用語集:Part 2――スラング
スラング(Slang)。現地人は「カス(Cuss;呪うと言う意味のCurseから来ていると思われ)」だとか「スウェアワード(Swear word)」と言う時もあるものの、どの道意味は同じ。では、つまり実際のところどういう言動を指すのかと言うと、俗語、又は酷く罵るようなもの、悪態を吐く事などを指します。前者はともかくとして、後者には少々……どころかかなりの問題があります。
人間嫌な事の一つや二つ(……で済むかどうかは別として)はあるでしょう。喋っている相手に対し悪気が無くても、つい口から出てしまう事も避けられない事でしょう。しかしながら、英(米)語においてこのような言動は御法度。周りの状況によっては、ちょっと口を滑らすだけでとんでもない事になりかねません。
尤も、どのような言葉が禁句なのか、それが解らなければ意味がありません。そこで、(どこまで当てになるかはわかりませんが)、杉野の個人的経験も微妙に踏まえて、スラング(先ほど述べた内の後者)対策方を説明しようと思います。
さて、まず最初に説明するべき(であろう)事は、どのような言動がスラングに値するかでしょう。
そこで、まあとりあえずリストを作ってみました。
単語編
- Heck (ヘック):直訳すると一体全体だとか、また強い感情(怒り、困惑など)を現すのに使われる言葉らしい(ヲイ)。尤も、私は一体全体と言う意味で使う事が一番多いような気がします。これはどっちかと言えば単なる俗語なので、使ってしまってもほとんど問題は起きないはずです。後で説明するフレーズの一部として使われる事が最も多いのでは……?(ツッコミ求む)
- Hell (ヘル):地獄と言う意味。言葉自体はそれほど問題は無いものの、フレーズの一部として使われると、場合によっては危険度増。
- Shit (シット;ただし、しっかりshの発音をしないとSit=座ると勘違いされます):直訳すると「クソ」です。こればっかりは日本語で言うどっちの意味にも当てはまります。流石に日本語の意味なんぞここで説明しても仕方ないので、分からんのなら広●苑なり何なり使って調べて下さい。
で、これも畜生、クソッたれ、などと言う意味合いで使われます。まあ、使わない方が身のためですね。
- Crap (クラップ):上に同じく。どっちも同じぐらいヤバげですが、Fuckと比べるとマイルド。でも、使わない方がよろしいかと。
- Bullshit (ブルシット;シットの部分の発音は上参照):戯言やデタラメ。BSと略する時もあり。BSならやり過ごせるかもしれませんが、Bullshitの場合はどうかと……ってか、使うべきじゃないですね。
- Darn, Damn (ダーン、ダム←かなり日本語的な発音です):直訳すると「(地獄に)堕ちる・堕とされる」と言ったところ。畜生、しまった、などと言った意味で使われる。Darnの方がいささかマイルド。Damnは危険度それなりに高し。
- Ass (アス又はアッス):直訳するとロバの事を指す言葉、又は尻。しかし、スラング的使われ方(?)だと、馬鹿者(しかもかなり性質の悪い言い方です)。恐らく米語オンリー(?)。これ使ったらヤバイって事を理解しておいて下さい。(私もしっかりと意味を理解せずに使ってしまい、問題起こしそうになったんで。)
- Asshole (アスホール):上のAssの意味とHole(=穴)を繋げたら直訳は出ます。で、スラング的な使われ方は、バカ、ドアホなど。上と比べてどっちの方がヤバイかといったらどっちも同じ。つまり、こっちも性質悪し。
- Fuck (ファック):直訳すると性行すること(つまりは動詞です。名詞だと思っていた人いませんか?)。畜生、ふざけるな、忌々しい、などと言う意味合いで使われるとスラング。しかし、下のBitchにしても、どのような意味合いで使おうが、口にしたらとんでもない事に巻き込まれる可能性がある事を理解しましょう。
- Bitch (ビッチ):直訳すればメス犬。しかしながら、スラング的な意味はあばずれ女、尻軽女などなど。女を愚弄する為に使われる事多し。あと、畜生と言う意味合いで使われる事もあり。とにかく危険です。使ったら間違いなくヤバイ事になります。因みに辞書で調べた場合一番先に出てくるのは「メス犬」の方。以前興味本位でフランス語の辞書を引いたところ、メス犬と言う意味のフランス語が載ってましたとさ(当然だろうが)。
- Jackass (ジャックアス):オスのロバ、又は間抜け、バカなどと言う意味。後者の方がスラング的(?)。ぶっちゃけた話使わぬが吉。使いたくなるなら状況考えて下さいね。
フレーズ編
- What the 〜?:「なんてこったい」と言う意味合いで使われるフレーズ。この後更に言葉を繋げる事によって意味合いが変わります。例えば、「〜is going on?」と繋げると、「一体全体何が起こってるの?」、「〜is that?」だと「一体全体何なんだ(それは)?」などと言う風になります。上で挙げた単語の中で〜の中に入れられるのはheck, hell, fuck。単語の意味によってフレーズ自体の意味も危険度が増します。因みに、heckの場合は単なる俗語。気にする人は少ないですが、本当に異常なほど堅物な方の前での利用はどうかと。他の2つ(特にFuck)の場合は、トラブルに巻き込まれる可能性あり。
- give a 〜:「知ったことじゃない」、「関係ない」、「気にも留めない」などと言う意味で使われる。〜の中にはdamn, crap, shit, fuckなどが入れられる。入る言葉自体がヤバイため、使う時は要注意。
- son of a bitch:主に男を罵る時に使うフレーズ。まあ、「Bitchの息子」って言っているわけですから、このフレーズのどんなところからこんな意味が来ているのかはお分かりでしょう。あと、クソッたれ、畜生と言う意味合いで(以下略)。こういうのばっかりですな。
- Fuckを利用しているもの→Fuckと言う言葉が入っている以上分かると思いますが、使うのなら状況と話している相手を考えて下さい
- Fucked up:メチャメチャ・グチャグチャになった、破壊された、などと言う意味。
- Fuck off:直訳→失せろ。ただし、日本語の意味合いよりもきっつい言い方。
他にスウェア的(?)表現になってしまうのは、驚きなどの感情を表すのに神の名を叫ぶようなこと。比較的よく知られていそうなものを挙げると、(Oh) my God!, Goodness, Jesus Christ, for God's (Heaven's) sake, などなど。スウェアと言う言葉自体も、誓いを立てる、と言う意味があります(恐らくコチラの方が正しい意味)。
結局どの表現にしろ本来ならば禁句であり、使うべき言葉ではないと言うことです。しかしながら、冒頭でも言った通り、感情が抑えきれなくなってしまえばつい口から出て来てしまう事もあるでしょうし、周りが使っていれば移ってしまうこともあると思います。実際、私自身周りの影響で、友達同士の会話などの時にはいくらかスラング的表現を口にしてしまう事もあります。
ここで誤解しないで下さい。スラング表現の説明をしたのは、スラングを使う事を薦めるためではなく、その意味を理解し、これを読んでいる皆様の言動にこのような表現がないかどうかを見直して頂きたいと思ったからです。言葉の意味を知らずに使い、理由も分からずにトラブルに巻き込まれること。それだけでも大変なのに、もしこれが海外であったならば、貴方はどうやって解決しますか? 「言葉の意味を知らなかった」、「この言語は私の第一言語ではない」という言い訳が、誰にでも通用すると思っていたのならば、それは大きな間違いです。
スラング的表現は、異国の言葉だからと言う理由や、単なる響きから、と言う理由で使ってしまう人もいると思います。ですが、ちゃんと意味があり、良い意味ではないものは沢山あります。スラングを使うのは話し手の自由です。しかし、そのような言動を取るのであれば、しっかり責任が取れるようにしておくのも、話し手の仕事だと思います。
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First: February 21, 2003
Edit: July 14/04
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